もう怖くない!編み物講師が教える「とじ針」の正しい使い方と裏技

編み物が形になってきて嬉しい反面、「とじ・はぎ」(パーツを繋いだり、糸を隠したりする仕上げの作業)の工程で不安を感じる初心者が多いのではないでしょうか。
特に、毛糸の始末やパーツを繋ぐ「とじ針」の使い方が分からない、というお悩みをよく聞きますね。とじ針をマスターすれば、あなたの作品は見違えるほどきれいに仕上がります。
この記事では、とじ針の種類から、作品を美しく仕上げるための具体的な使い方まで、失敗しないための正しい知識を丁寧にお伝えします。
編み物の仕上がりを決める「とじ針」の役割と基本
とじ針は、編み物作品を完成させる上で非常に重要な役割を果たします。これは編み針のように編むための道具ではなく、主に「仕上げ」のための道具です。
とじ針とは、針先が丸く、糸を通す穴(針穴)が大きい特殊な針のことを指します。
なぜ針先が丸い必要があるの?
通常の縫い針と異なり、とじ針の先端は尖っていません。これは、既に編まれた編み目の繊維を傷つけたり、割ったりせずに、スムーズに編み目の中を通すためです。
糸割れを防ぐことで、糸始末(余った糸を隠す作業)やパーツを繋ぐ作業が目立たなくなり、美しい仕上がりになります。
初心者が失敗しないための「とじ針」の選び方
とじ針にはいくつかの種類があり、使う毛糸の太さや素材によって使い分けることが大切です。正しい道具を選ぶことが、失敗しない第一歩ですね。
素材と太さで選ぶポイント
とじ針の素材は、大きく「金属製」と「プラスチック製(または樹脂製)」に分かれます。
| 項目 | 金属製とじ針 | プラスチック製とじ針 |
|---|---|---|
| 特徴 | 細くても強度が高く、細かい作業向き。 | 軽くて折れにくい。針穴が大きく糸を通しやすい。 |
| 向いている毛糸 | 中細~並太の毛糸、繊細なレース糸。 | 極太など太い毛糸、モヘアなどの起毛した毛糸。 |
| 価格帯 | やや高価だが、耐久性が高い。 | 安価で手に入りやすい。 |
使用する毛糸が太ければ太いほど、それに合わせてとじ針も太めのものを選びましょう。太い針のほうが、毛糸が針穴から抜けにくく安定します。
100均のとじ針と専門店の違い
最近では100円ショップでもとじ針が手に入りますが、長く使い続けることを考えるなら、編み物専用メーカーのものをおすすめします。
専門店の金属製とじ針は、針の表面が滑らかで、編み目への通りが非常にスムーズです。一方、100円のプラスチック製は、太い毛糸を通す練習用としては十分に活用できますね。
編み物講師が教える「とじ針」の基本的な使い方と手順
ここでは、編み物で最も頻繁に行う「糸始末」を例に、とじ針の基本的な使い方を解説します。
Step1:糸端を針に通す
毛糸が針穴に通しにくい場合は、糸端を少しねじったり、固くまとめたりすると通しやすくなります。
多くの編み物専用のとじ針は、針穴が縦長に設計されているため、太い毛糸でもスムーズに通せますよ。
Step2:作品の裏側で編み目に沿って隠す
糸始末の鉄則は、「作品の裏側で行う」ことです。表側から見えないように、同じ色の編み目に沿って針を通していきます。
針を通す際は、編み地の伸びを妨げないように、きつすぎず、緩すぎない力加減で行いましょう。
Step3:複数回往復させて固定する
ただ一方向に糸を通しただけでは、使用しているうちに糸端が飛び出してきてしまうことがあります。
必ず、最初に通した方向と「逆方向」にもう一度針を通し、数センチの範囲でしっかりと往復させて固定しましょう。この往復作業こそが、仕上がりの強度を高める秘訣です。
ベビー作品を安全に仕上げるための豆知識
ベビーウェアやベビーブランケットなど、赤ちゃんが使うものを編む場合、糸始末には特に注意が必要です。
赤ちゃんは何でも引っ張ったり口に入れたりする可能性があります。安全に楽しんでもらうために、以下の点に気をつけましょう。
結び目は作らずに強度を保つ
糸始末の最後に硬い「結び目」を作ってしまうと、赤ちゃんの肌に当たってチクチクしたり、ゴワついたりする原因になります。結び目は避けましょう。
その代わりに、編み目の奥深くにしっかりと糸を潜らせ、最低でも2〜3回方向を変えて(縦、横、斜めなど)往復させることで、結び目なしで強度を保てます。
糸端は長すぎず、短すぎず
糸始末に使用する糸端は、長すぎると始末が大変ですが、短すぎるとすぐに抜けてしまう原因になります。最低でも15cm〜20cm程度の長さがあると安心です。
始末が完了したら、編み地を軽く引っ張ってから、編み地ギリギリではなく、少しだけ余裕をもってハサミでカットすると良いですよ。
まとめ
とじ針の使い方は、編み物の完成度を左右する重要なスキルです。最初から完璧を目指さなくても大丈夫。まずは練習用の毛糸で、糸始末の「往復」を試してみましょう。
この記事で学んだ要点をまとめて確認しましょう。
- とじ針は針先が丸く、編み目を割らずに綺麗に仕上げるための道具である。
- 毛糸の太さに合わせて、金属製またはプラスチック製の適切な太さの針を選ぶ。
- 糸始末は必ず作品の裏側で行い、編み目に沿って目立たないように通す。
- 糸端は一方向に通すだけでなく、複数回往復させて強度を高めることが重要。
- ベビー作品では、結び目を作らず、しっかりと潜らせて安全性を確保する。
正しい道具と使い方さえマスターすれば、あなたの作品はプロのような美しい仕上がりになります。自信を持って、最後の仕上げに取り組みましょう!



